不安がなかったわけでは
ありません。

それでも、ワクワクの方が
大きかったんです。

株式会社サビデンキ 代表取締役 佐飛 康央

Chapter 01

僕も、営業からこの世界に入りました

この文章を読んでくださっている方の中には、今、営業の仕事をされている方もいるかもしれません。僕もそうでした。電気とはまったく縁のない業界で、決まった先を回る営業をしていました。図面が読めるわけでもなく、工具を握ったこともなく、まして経営のことなど何ひとつわかっていませんでした。

営業が嫌だったわけではありません。ただ、サラリーマンという枠のその先があるんじゃないかと漠然と考えていた、というのが正直なところです。このまま続けていった先の自分が、どうしてもうまく思い描けなかったんです。

かと言って、経営ができるわけでもありません。それでも、飛び込むなら早いうちにこちらへ入り、いろいろ教えてもらいながら覚えていった方がいい。そう自分で決めました。甘い考えだったかもしれませんが、とにかくやってみたかったのです。

あのとき胸にあったのは、不安よりもワクワクでした。
人生でいちばん大きなワクワクだったかもしれません。

ですからもし今、あなたが「このままでいいんかな」と感じているなら、その気持ちは僕にもよくわかります。営業から未経験でこの業界に入った人間が、今こうして会社をやっています。そこから動いた先に何があったのかを、これからお話しさせてください。

Chapter 02

「現状維持は、後退だ」と思っています

社員にいつも伝えているのは、「現状維持は、後退だ」ということです。僕が成長を止めてしまえば社員の成長も止まり、会社の成長も止まってしまう。そこは強く持っています。

ただ、これは焦りから出てくる言葉ではありません。挑戦の側にある気持ちは、いつもワクワク。ここに挑戦したらものすごくいい結果が生まれるかもしれない、会社がガラッと変わるかもしれない、みんなの笑顔が見えるかもしれない、という気持ちで動いています。昔から好奇心が強く、なんでもやってみたい性分だったというのも強くありますね。

だから会社も、電気からどんどん派生してきました。防災や消防設備、空き家管理まで、電気に軸足を置き、関連した事業には前衛的に取り組んでいきたいと思っています。太陽光発電のパネル下のスペースを利用して農業も行っているんです。

ジャックと、サビのき。

今年から始めたのは、なた豆栽培です。きっかけは、健康のためになた豆茶を飲んでいたこと。飲みながら、これは自分で栽培できるんじゃないかと考えました。小泉町に空いた土地があったので250本ほど定植し、専門のスタッフにも入ってもらっています。なた豆はジャックと豆の木のモデルになった豆でもあり、めちゃくちゃ大きくなります。まさに、「ジャックとサビの木」です(笑)。いずれは全部自社で焙煎してお茶にして、ふるさと納税の返礼品にできたらいいな、と考えています。

こうして並べると計画的に見えるかもしれませんが、始まりはいつも直感です。細かいことは考えず、行けるか行けないかをまず直感で決めて、データや資金繰りを調べるのはその後。調べた結果「これは難しい」とやめた案件もいくつもありますが、それでもスタートはいつも直感です。

Chapter 03

丸投げはしません
全部、自分たちの手でつくります

新しいことに次々と手を伸ばしている一方で、ここは変えないと決めていることがあります。それは、電気工事の自社施工です。

自分たちの施工に責任を持って、アフターメンテナンスまで一貫して見ていける会社であり、チームでありたいと思っています。自社施工は、社員の成長にもつながっています。打ち合わせをして、図面を書いて、最初から最後まで自分の手で仕上げていけば、満足感も達成感もきっとあるはず。パートナー会社に丸投げして監督するだけの仕事とは、まったく違います

自分たちが手がけて、作り上げる、ひとつの作品ですから。

もっとも、ひとつの現場を仕上げるまでには、必ずどこかで壁に当たります。これは失敗した、打ち合わせがうまくいっていなかった、というときに「こんなことになりました、どうしたらいいですか」と言える雰囲気にしたいと思っています。教える側も教えることで勉強になりますから、お互い勉強です。まだわかっていないから「わからないので教えてください」と言いやすいですし、10年20年やってきた社員もプライドを捨ててお互い相談できるように、そこは僕がフォローしていきます。

社員だけで行っている「風会議」という場もあります。最初は僕が言い出したものですが、今はみんなで進めてくれていて、僕は一切中に入りません。僕がいると、言いたいことも言えなくなってしまいますから。結果は翌週の月曜、朝礼で報告が上がってきます。そうやって任せていくなかで大事にしているのは、主体性と責任感です。言われたからやるのではなく、自分がやらなくてはいけないと思える人には、どんどん任せていきたいと考えています。

Chapter 04

持ってきてほしいのは、素直さだけです

ここまで読んで、経験がないから無理だと不安を感じる点があったかもしれません。けれど資格も技術も、こちらで全部教えますから、今はまだなくても大丈夫。

これさえ持ってきてくれれば、というものは一つだけ。
素直さです。わからないので教えてください、と聞けること。失敗しました、次は気をつけます、と言えること。プライドが邪魔をしない人であれば、必ず伸びていきます。

そう言えるのは、僕自身が何も持たないまま、この鯖江へ来たからです。同じ福井とはいえあわら市から来たので土地勘もありませんでした。周りに知っている人も友達もいませんでしたが、消防団やPTAなど様々な方々とふれあい、人脈をつくってきました。人との繋がりは本当に大事で、今の自分と会社があるのは全部人のおかげです。

余談ですが、メガネは50本ほど。

鯖江のメガネは50本ほど持っていて、スーツやネクタイと同じ感覚でその日の場面に合わせて替えています。鯖江の漆器でつくった、世界に2本しかないメガネもあります。

最後に、私から会社のみんなと、これから仲間になるあなたとの約束を。

  • 10年後も「この会社にいてよかった」と思える会社であり続けること。

  • 子供たちに「あの建物の電気、お父さんの会社がやったんやざ」と自慢してもらえる会社にすること。

単にお金を稼いでいる、仕事をしている、それだけではなく、誇りとやりがいを持って働ける人になってもらえる仕事をすること。

一緒に、
さばえの灯りになりましょう。